創業40年、穏やかな時間が流れる喫茶店「民芸茶房 木亭(もくてい)」
旅行中に、ふと「落ち着いて過ごせる場所がほしい」と感じることはありませんか?そんなとき、秩父の散策途中に立ち寄りたいのが「民芸茶房 木亭(もくてい)」です。
駅から徒歩3分、歴史を感じる佇まい
木亭は西武秩父駅から徒歩約3分のところにあります。格子のはまったガラスの扉や窓、瓦屋根の素敵な建物です。
建物の左手の入り口を入って現れるのは、どっしりとした階段。木亭はこの2階にあります。
扉には、カラフルなステンドグラスで描かれた「木亭」の文字やコーヒーカップのデザインが施されています。店に入る前から、素敵な予感に胸が高鳴ります。
お蚕小屋を改装した、穏やかな時間が流れる店内
店内はカウンターとテーブル席合わせて30席ほど。アンティークの照明に照らされ、どこか懐かしいような落ち着いた印象です。
こちらの建物はもともと秩父市荒川(旧荒川村)でお蚕小屋として使われていたもの。秩父鉄道開通に伴い「壊してしまうのはもったいない」という想いから、この地へ移築されたのだそうです。
お店の真ん中にある1本の大黒柱で建物を支えているため、広々とした作りになっています。柱や梁(はり)には、かつて“鉋(かんな)”より前から使われていた“釿(ちょうな)”という工具で削った跡が残っているそうです。
優しい味わいの手作りプリンや、ボリューム満点のサンドイッチ
木亭の「手作りプリン」(税込450円)は、卵の風味がしっかりと感じられる固めの食感です。甘くてほろ苦いカラメルソースがたっぷりかかっているので、一口ごとにプリンに絡めて味わえます。
「ミックスサンド」(税込800円)は食パン4枚を使用した、ボリューム満点の一品。ハム、トマト、キュウリ、レタス、卵などが挟まれており、食べやすいサイズにカットされているのも嬉しいポイントです。
「ウインナーコーヒー」の甘さや「クリームソーダ」(各・税込660円)の爽快感も、疲れた体に染み渡ります。器やカップにも、さりげないこだわりが詰まっており、それらを眺めているだけでも、贅沢な時間を感じます。
コーヒーの入ったカップとソーサーを眺めていたら、「MIKADO(帝)」という東洋をモチーフにした絵柄なのよと教えてもらいました。
さらに、店内中央にかけられた暖簾(のれん)にも「THE MIKADO」の文字が記されています。この暖簾は、オペレッタ「MIKADO」にちなんだものだそうです。
木亭を創業した当時の店主・塚越康一さんは「MIKADOの舞台『日本の首都ティティプー』は秩父のことではないか」とラジオで聞いたことがきっかけで、秩父での公演実現を目指して尽力したそうです。10年ほどの準備を経て、2001年に秩父で初公演。その後、東京やイギリスでも公演を果たしたそうです。
お店の人
(右)塚越早苗さん(左)中山彩子さん
現在、木亭を切り盛りするのは、創業者・康一さんの妻である早苗さんと、その娘・彩子さん。開業当初、早苗さんは「お客さまに来てほしい」という思いはあったものの、接客に自信が持てず、当初はとても緊張していたのだとか。今では常連のお客さんとも明るく会話をしながら、笑顔で対応しています。早苗さんと彩子さんの息のあった静かなおもてなしで、とても居心地よく過ごせます。
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建物の歴史や穏やかな空間に癒されながら、特別なひとときを楽しみに、「木亭」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
店舗情報
店舗・スポット名 | 民芸茶房 木亭 |
ジャンル | 喫茶店 |
所在地 | 埼玉県秩父市野坂町2-15-26 (GoogleMapで見る) |
営業時間・定休日 | 10:00~17:00 定休日:水曜日、第3火曜日 |
電話番号 | 0494-22-4388 |
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