湖上で味わう自然体験、カナディアンカヌークラブ「Bencher(ベンチャー)」
街の喧騒から少し離れて、自然に身をゆだねてゆったりした時間を過ごしたくなることはありませんか?そんなときにおすすめなのが、カナディアンカヌークラブ「Bencher(ベンチャー)」です。「秩父さくら湖」(浦山ダム)でカヌーに乗りながら、風や光、水音や鳥のさえずりなどが感じられるアクティビティです。
秩父の自然を味わう、湖上アクティビティ

Bencherは、秩父鉄道「浦山口駅」から徒歩約14分、「西武秩父駅」から車で約11分の場所にあります。周辺は自然に囲まれていて、秩父らしい景色。黒地に赤い文字、パドルや水しぶきがデザインされた看板が目標です。

建物に入るとカナディアンカヌーやSUP、カラフルなライフジャケットやウェアが目に飛び込んできます。これに乗るのか…と眺めているだけでも、なかなかの迫力を感じます。


受付では、名前や緊急連絡先など必要事項を記入し、参加費を支払います。服装や持ち物は、公式サイトで事前に確認して準備しておくのがおすすめ。速乾性のあるパーカーや短パン、帽子、サングラス、サンダルなど、日差しや水濡れへの対策をしていくと安心です。乗り降りの際に足元は必ず濡れるため、夏以外は防水ロングブーツを無料でレンタルできます。価格はシングル艇プランのペアコースで大人=7,500円/名(2名1組のみ)です。


着替えが必要な場合は、更衣室やロッカーも設置されています。
出発前には、トイレは必ず済ませておきましょう。カヌーに乗って湖に出たら、しばらくは上陸できないので、忘れ物や準備不足がないように最終確認です。準備が整ったら車で数分、湖のそばにある出艇場所へ向かいます。
初心者でも安心!カヌーの基本から、出発前のレクチャータイム


到着すると、カナディアンカヌーを1艇ずつ車から降ろして、水際まで運ぶ作業が始まります。カヌーをひょいと担ぎ上げて運んでいくのは、Bencher代表の「ベンちゃん」こと代表の松本さん。このカヌー、1艇35キロほどあるそうなんですが、とても軽そうに見えるんです(笑)慣れた様子で着々と準備を進める姿に、思わず見入ってしまいます。

カヌーが水辺に並ぶと、ここでまずはレクチャーの時間。ライフジャケットをしっかり着けて、参加者同士で締め忘れがないか、安全確認から始まります。

パドルの持ち方や漕ぎ方、カヌーに乗り込むときの姿勢、バランスの取り方など、初めてでも安心して体験できるように、ベンちゃんが分かりやすく説明してくれます。
前に進む、後ろに下がる、曲がる、止まる。ひとつひとつ、基本の動きを一緒にやっていきます。想像していたよりもずっとシンプルで、「え、これだけ?ほんとに?」とちょっと不安になるくらいです(笑)陸上でのレクチャーを終え、いよいよ湖へ繰り出します。
一漕ぎごとに音が響く、自然を感じながら心地よく水面を進む

カヌーに乗り込み、そっとパドルを水に差し入れると、驚くほど滑らかに前へ進み始めます。パドルで水を押した跡が、渦を描いて水面に漂うのがなんとも綺麗です。2人で呼吸を合わせて、左右のパドルをリズムよく漕ぐと、水音があたりに心地よく響きます。ちゃぷちゃぷという水の音とキラキラと輝く水面が耳にも目にも心地よく、前進しているだけでも楽しい!

視線の先には、濃い緑の山肌と岩壁。ここ「秩父さくら湖」は、約1億5千万年前の海底地層「チャート」を削って造られた浦山ダムによりできた湖です。人が手を加えた場所でありながら、鳥のさえずりが聞こえ、時にはサルやタヌキが姿を見せることも。自然の力強さが感じられる風景が広がっています。

実はこの湖の水も、荒川を通じて東京湾へと流れていきます。首都圏の水源の多くを支える荒川の源流域にある秩父。この自然の中で過ごすひとときが、都市の暮らしとも密接につながっていることを、ふと考えさせられます。

あたりには鳥の声と風の音、パドルが水を切る音が広がります。カヌーを漕ぎながら景色を眺めたり、時折手を休めて双眼鏡で鳥の姿を探したり。釣りを楽しむ小さな船の姿もありましたが、ガソリンエンジン付きの船は禁止されているそうで、とても静か。水面に浮かんでいるだけで、自然に包まれているような感覚になります。
湖の真ん中で、ひと息つくカフェタイム


カヌーを止めて、湖の真ん中でひと休み。ここからは湖上のカフェタイムです♪カップに注いだコーヒーと、ふわっと甘い香りのカステラ。ゆったりと風景を眺める時間は、なんとも贅沢です。
希望があれば、オプションのテーブルを取り付けて湖上でピクニック気分を楽しむこともできるそう。飲み物やお菓子やケーキを持ち込んで誕生日をお祝いしたり、湖上ランチをしたりもできちゃいます!
自然に囲まれながら、湖上だからこそ味わえる静かであたたかい時間が流れます。

湖の上でのんびりと過ごした後は、名残惜しいですが岸へと戻ります。
出発のときはぎこちなかったパドルの動きも、帰り道にはすっかり慣れていて、自然と役割分担ができるようになっているのを感じます。前に座る人がしっかり漕ぎ、後ろの人が進行方向を調整。息を合わせてスッと前に進む感覚が、なんとも心地よいです。
帰り道も、急がずに景色を眺めたり、水面の揺れに身をまかせたり。カヌーの上で時間を忘れて、ただただ「今」を味わう。そんなゆったりとした帰路です。
(風がある日は必死にこぐ場面もあるそうですが、そのときはベンちゃんがしっかりサポートしてくれるので安心です(笑))
お店の人

カナディアンカヌークラブ「Bencher」 代表:松本芳行さん
「ベンちゃん」こと松本さんは、以前は自動車やアウトドア用品のメーカーに長く勤めていたそう。小笠原諸島でホエールウォッチングの立ち上げにも関わった経験があり、自然の中でのアクティビティにかけては筋金入りです。
縁あって秩父さくら湖の風景に惹かれ、2020年にBencherを立ち上げました。「のんびり過ごす癒やしの時間を楽しんでほしい」と、ガイドを行いながら、定期的に湖のクリーンイベントも行っています。
少し話すと次々に引き出しが開いて、ユニークなアイデアがどんどん出てくるのも魅力のひとつ。ベンちゃんの優しくて気さくな人柄に、「また来たい」とリピーターになる人も少なくありません。
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街の喧騒を離れ、自然にそっと身をゆだねるひととき。
Bencherで、秩父の自然に包まれながら、日常を少しだけ手放して自分だけの特別な思い出を作ってみてはいかがでしょうか。
店舗情報
スポット名 | カナディアンカヌークラブ「Bencher」 |
ジャンル | アクティビティー |
所在地 | 埼玉県秩父市荒川上田野205 (GoogleMapで見る) |
営業時間・定休日 | 【午前の部】 9:30~12:00(4月~11月) 【午後の部】13:30~16:00(4月~11月) 【冬季期間】10:30~13:00(12月~3月)事前予約制 |
公式サイト | https://bencher.co.jp/ |
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