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例大祭の「秩父夜祭」は日本三大曳山祭の1つ。2100年の歴史を誇る「秩父神社」

秩父神社は日本最古の神社の一つで、2014年に創建2100年を迎えました。日本三大曳山祭の一つ「秩父夜祭」は秩父神社のご祭神である妙見様(女神様)にちなんだ祭礼。そのため、秩父神社は秩父夜祭の中心的な存在としても知られています。

秩父神社は秩父鉄道「秩父駅」から徒歩3分ほど、西武鉄道「西武秩父駅」から徒歩15分ほどの場所にあります。境内の前の狛犬は、脚が太く胸も分厚くとても立派で、胸を張ってしっかりと鎮座しています。

「関東三大手水舎」の見事な彫刻!機械でも再現できない、先人の技が光る手水舎

鳥居をくぐったら、手水舎(てみずしゃ)へ。秩父神社に湧き出る水は武甲山の伏流水で「平成の名水100選」にも選ばれています。お酒の仕込みにも使われるほど、綺麗な水質だそう。この水で、まずはお清めをします。

お清めが終わって手水舎をじっくりと観察してみると、細密な彫刻にびっくり。秩父神社の手水舎は「関東三大手水舎」の一つとも言われるほどの素晴らしい彫刻が施されています。柱に掘り出された毘沙門亀甲の紋様は、現在では機械でも再現できないほどの精密な設計と彫刻技術だそうです。

素材の欅(けやき)の木目や彫刻の素晴らしさをより際立たせるために最低限の塗装しかされていないそうです。柱の上方で八方に睨みを利かせる獅子の、黒目と口の中だけにほんのりと色が入っていた様子が伺えます。

彫刻をじっくり眺めていると、いたるところに波に包まれた亀の様な姿を発見。縁起が良いとされる尻尾に藻が巻きついた様な「蓑亀(みのがめ)」や、伝説上の神獣「玄武」と思われる姿など、躍動感のある彫刻に時間を忘れて見入ってしまいます。

50年ぶりに塗り直された鮮やかな御本殿、匠の技にうっとりしながら参拝

神門をくぐり奥へ進んだら、まずは御本殿で参拝を。神様に日頃のお礼をご報告をしたり、見守っていただきたいことを誓ったり、心を穏やかにして祈ります。

改修前の様子

秩父神社は2019年7月から2023年11月にかけて、御鎮座2100年奉祝事業として本殿の改修作業が行われ、国内屈指の職人たちにより約50年ぶりに彫刻の塗り直しなども行われました。

古い写真や、彫刻に残った痕跡などを研究し、より本来の姿に近い塗装を目指して改修したそうです。江戸時代初期に活躍した伝説的な彫刻職人「左甚五郎(ひだりじんごろう)」の作品も、色鮮やかに蘇りました。

東面の「つなぎの龍」や、西面のよく見て・よく聞いて・よく話す「お元気三猿」の姿が有名ですが、西面のお猿さんの上にも東面と同様に龍の姿があるんですね。「陰・陽」「上・下」のように、対になっているようなモチーフが秩父神社にはたくさん存在するそうです。

本殿に近づいたり離れたり、ちょっと背伸びをしたりしながら「紅葉を見上げている雄鹿」と「紅葉の下で草を食んでいる雌鹿」の対の作品を発見。ぐるぐると本殿を周って探してみるのも、とても楽しいです。

北側の中央には「北辰の梟(ほくしんのふくろう)」が彫刻されています。梟は首を180度くるりと回せるため、体は正面の御本殿に向き、頭は正反対の真北を向いて昼夜を問わずご祭神をお守りしており、御本殿にお尻は向けていないそうです。

ちなみに、埼玉県では中学生を対象に「北辰テスト」という高校入試を意識した模擬テストが1952年から行われています。北辰テストでは「北辰の梟」をもとにしたフクロウの「北辰しるべ」がイメージキャラクターにもなっているほど、埼玉県ではメジャーな存在だったりします(笑)

水に浸さないと運勢が分からない?武甲山の伏流水で吉凶を占う「水占いみくじ」

秩父神社にはちょっと珍しいおみくじがあるんです。「水占みくじ」はこどもみくじ、総合運、恋愛運についての3種類(各200円)。箱に手を入れて、これだと思うものを選んで開くと、中は白紙になっています。

白紙のおみくじは、境内の右側にある「柞の禊川(ならのみそぎがわ)」で水に浸ると、占い結果がふわっと浮き上がってくるんです!ドキドキしながら浮かび上がる運勢を眺める体験は、神様に占ってもらっているようでとても緊張感がありますね(笑)

「平成殿・社務所」の近くには、同じ武甲山の伏流水で優雅に泳ぐ鯉の姿も。鯉への餌やり(餌=1袋100円)ができるので、ゆったりしたい気持ちの時にもおすすめです。

神社の人

宮司 薗田建さん

宮司 薗田建さん

一つ質問すると10も20も、いろいろなことを教えてくださる薗田宮司。「秩父神社の中でも、特に手水舎の彫刻が素晴らしいのでよく見てください」とのことで、お話を伺いながら観察すると、たくさんの発見がありました!神社は格式が高く、近寄り難い場所と思いがちですが、「もっと聞きたい、もっと知りたい」というお話をたくさんしてくださる、素敵な宮司さんです。

MESSAGE

神社の人からのメッセージ

秩父へ観光にいらした際に、秩父神社へも「ご挨拶」に来るような気持ちで、自然体でお参りに来ていただけたらと思います。神社は神様に感謝や祈りを捧げる場所。秩父の空気感や八百万(やおよろず)の神々の恵みを味わいにいらしてください。

秩父は今でも氏子と神社が手を取り合っている地域だなと感じます。秩父の街や秩父の人の生活を見て「情緒があっていいな」「この生活風景がいいな」などと思ってもらえたら、より嬉しいです。秩父の地のものや、秩父の風土を身近に感じてもらえたらいいですね。細く長く、何度も秩父へ足を運んでいただきたいです。

「秩父夜祭」や、生活に欠かせない「水」に縁のある秩父神社。旅の始まりや締めくくりなど、参拝に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

スポット情報

スポット名秩父神社
ジャンル神社
所在地埼玉県秩父市番場町1-3
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電話番号0494-22-0262
公式サイトhttps://www.chichibu-jinja.or.jp/
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